
行政職員

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内示を受け取った日から「また希望していない部署か」「異動のたびに一からやり直しで、正直しんどい」といった気持ちを誰にも言えないまま抱えている方は少なくありません。
周りに打ち明けても「公務員なんだから恵まれてるよ」と返され、それ以上言葉が続かなくなった経験がある方もいるのではないでしょうか。
そのつらさは、あなたの適応力だけの問題ではありません。数年ごとに畑違いの部署へ移る公務員特有の仕組みに、負担が生まれやすい事情があります。
この記事では、公務員の異動がつらいと感じる理由を整理したうえで、今の部署でできること、次の異動を希望するときに準備したいこと、異動を繰り返す働き方そのものに違和感があるときの選択肢まで、順にお伝えします。すぐに答えを出す必要はありません。まずは、自分の状況を整理するためのヒントとしてお読みください。
一人で状況を整理するのが難しいと感じている方は、公務員の異動事情に詳しいクジラボへぜひご相談ください。これまで5,000名以上(※クジラボブランド累計、2026年9月時点)の公務員のキャリア相談に向き合い、異動への向き合い方や希望の伝え方について、それぞれの状況に応じて一緒に考えてきました。転職を前提とした場ではなく、今の環境でどう働くかを問い直したい方も、多くお越しになっています。
異動のつらさを感じている方は、私たちに一度お悩みを話してみませんか。
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公務員が異動をつらいと感じるきっかけは、ひとつとは限りません。複数の要因が重なって、しんどさが積み重なるケースが多く見られます。ここで取り上げるのは、相談の中で特によく挙がる5つの理由です。
積み上げた知識や経験がリセットされる感覚があるから
希望と異なる部署への配属が続くから
異動先の業務内容が自分に合わないと感じるから
人間関係を一から築き直す負担が重なるから
異動の希望を出しても届いていない感覚があるから
自分のつらさがどこから来ているのかを照らし合わせながら読み進めてみてください。原因が見えてくると、次に打てる手も変わってきます。
ようやく制度を人に説明できるところまで来たのに、次の年には使う機会がなくなります。同じ状況が繰り返されると、独特の徒労感が積み重なっていくものです。
相談の中でも「部署が変わるたびにスキルがリセットされる感覚を覚える」といった声も聞かれます。何年勤めても専門性が積み上がらず、これでは他の場所で通用しないのではないかとの不安を口にされる方も少なくありません。
ただ、これは能力の問題というより、仕組みがそう感じさせている側面もあります。数年ごとに担当分野が変わるため、どれだけ丁寧に仕事をしても、経験が積み上がっている実感を持ちにくいのです。
»関連記事: 「公務員の仕事ができない」と感じるあなたが知っておきたいこと
一度であれば「今回は縁がなかった」と思えることも、何度も重なれば話は変わってきます。
クジラボにご相談いただいた市役所勤続13年の方は、これまで4回の異動をいずれも希望と異なる部署で迎えてきました。今の職場では周囲に活気がなく、自分もこのまま歳を重ねていくのだろうかといった不安が募っていったと話しています。
異動には、多様な行政経験を積める側面があります。ただ、希望と異なる配属が続くなかで、仕事に向ける気持ちが少しずつ削がれていくと感じる方も少なくありません。
» 希望しない異動、感じられないやりがい "公務員しか知らない自分"から一歩踏み出せた理由
同じ行政職でも、求められる動き方は部署によって大きく異なります。人と頻繁に接する窓口業務と、データ分析や調査に黙々と取り組む業務とでは、力を発揮しやすい方の特性もまったく別物です。
これは能力そのものの問題というより、環境との相性が背景にあるといえるでしょう。前の部署では滞りなく回せていた方が、異動先では思うように進まないといった場面は起こり得るものです。
後から配属された若手のほうが手際よく処理していく様子を見て、自分を責めてしまう方もいるでしょう。ただ、相性のズレは能力の優劣とは切り離して考えられるものです。
異動すると、上司も同僚も関係部署の担当者も一斉に入れ替わります。誰に何を聞けばよいのか、どこまで踏み込んでよいのか、距離感を測り直す作業が続きます。この作業は、業務の負荷とはまったく別種の消耗を生むものです。
前の部署では気軽に相談できていた内容が、新しい環境では切り出しにくくなります。慣れない状態が続くと、抱え込む量が自然と増えていきます。
業務を覚える負担と、信頼関係を築き直す負担が同時にのしかかるのが、異動直後の時期ではないでしょうか。時間の経過とともに落ち着いていく側面もあるため、最初の数か月は自分を追い込みすぎないことも大切です。
多くの自治体では、異動調査や人事評価面談など、希望を伝える機会が用意されています。しかし、それが実際に届いている手応えを持ちにくいのが、多くの職員に共通する悩みといえるでしょう。
異動希望を書くことはできても、なぜその部署なのかと問われるとなかなか答えられない方もいます。人事は何千人もの職員を相手にしているため、根拠のない希望は見てもらいにくいのが実情です。
宙ぶらりんな状態が続くと、異動そのもの以上に気持ちを消耗させる要因になっていきます。ただ、こうした感覚はあなたの伝え方が悪いから生まれているわけではなく、組織側の仕組み上、希望が反映されにくい構造そのものが背景にあります。

異動から間もない時期であれば、環境に働きかけることでつらさが軽くなる余地があります。ここでは、今日からすぐに試せる5つの方法を紹介します。
過去の決裁文書から年間の流れを把握する
力の配分を決めて完璧を求めすぎない
抱えている業務をチーム内で見えるようにする
異動先でもできていることを書き出す
異動のつらさを話す相手を選ぶ
どれか一つでも構いません。取り組みやすいものから始めてみてください。
異動直後の不安の多くは、先が読めないことから生まれるのではないでしょうか。年間の業務の流れが見えるだけでも、心の負担は変わっていくものです。
過去の決裁文書には、根拠となる規定、判断の理屈、これまでの経緯が整理されています。特に重要な案件ほど丁寧に作り込まれているため、実務を理解する手がかりになります。
たとえば、6月に議会向けの資料作成が集中する、10月から翌年度の予算要求が始まるといった山場が把握できれば、心の準備ができます。昨年度のファイルを時系列でたどり、どの時期に何が必要になるのかを大まかに書き出しておくと、準備の遅れを防ぎやすくなるでしょう。
公務員の仕事は正確さが求められる場面が多いものですが、すべての業務に同じだけの力をかける必要はないかもしれません。たとえば、次のような切り替えが考えられます。
8割の完成度でまず提出し、フィードバックをもらう
優先順位をつけ、重要度の低い業務では力を抜く
自分だけで完結させようとする思い込みを手放す
小さな工夫や捉え方の転換だけでも、働きやすさは変わっていく可能性があります。すべての場面で全力を出そうとするより、どこに力を注ぐべきかを見極めるほうが、結果的に周囲からの信頼にもつながりやすくなるでしょう。
自分が今どの業務をどこまで進めているのかをチーム内で共有しておくと、重複や非効率な進め方に気づいてもらいやすくなります。結果として、業務配分の見直しにつながる場合もあるでしょう。
異動直後は、まだ慣れていないのに迷惑をかけられないと考えて抱え込みがちです。ただ、進捗が見えない状態のほうが、周囲は手を差し伸べにくいものです。
朝礼や週次の打ち合わせで、抱えている案件を一言添えて共有してみてください。それだけでも状況が変わっていくことがあります。
異動先でできないことばかりが目につくと、自己認識がネガティブな側面に偏っていきます。そんなときは、できていることに意識を向けてみてください。たとえば、次のような些細に思える点で構いません。
複雑な制度について住民の方にわかりやすく説明できている
困っている同僚に声をかけて手伝っている
書き出してみると、意外と多くのことができている自分に気づくものです。偏った自己認識のバランスを取り戻すことが、次の一歩を踏み出すための土台となるでしょう。自己理解を深める作業は、この小さな棚卸しから始まります。
気持ちを言葉にして誰かに渡すだけでも、心の重さが軽くなる場合があります。ただし、相手選びは慎重に行いたいところです。
相手 | 期待できること | 気をつけたいこと |
職場の同僚 | 環境を共有しているため共感を得やすい | 人間関係によっては話が広がる場合もある |
家族・友人 | 利害なく親身に聞いてもらえる | 行政組織特有の事情が伝わりにくい |
利害のない第三者 | 客観的な視点が得られる | 自分から探しに行く必要がある |
大切なのは、あなたの話を評価したり否定したりせず、真摯に耳を傾けてくれる相手を選ぶことです。
» 市役所を辞めたいあなたへ。現職や元公務員の本音も集めました

どうせ希望は通らないと諦める前に、できる準備があります。異動先が合わないと感じている方こそ、次の3点を整えておく価値があります。
異動希望に「なぜその部署か」の根拠を持たせる
自分の強みが希望先でどう活きるかを言語化する
異動希望を伝える場とタイミングを押さえる
希望が必ず叶うとは限りません。それでも、準備の有無で伝わり方は変わっていきます。
異動調査に希望を書くことはできても、その理由を問われると答えられないといった声は少なくありません。希望に説得力を持たせる根拠は、次の手順に沿って整理が可能です。
まず、これまで担当してきた業務を書き出し、そこで何を任され、どんな判断をしてきたのかを整理します。ここで見るのは実績の大きさではなく、自分がどう動いたかという中身です。
次に、希望する部署が今どんな事業に取り組んでいるのかを調べます。庁内のイントラネットに載っている事務分掌、総合計画や個別計画、予算資料などから、その部署がこれから力を入れる領域が見えてきます。
最後に、その事業のどこに自分の経験が使えるのかを一文にまとめます。行きたいといった気持ちだけでなく、そこに至った理由を自分の言葉で説明できる状態にしておきましょう。思いつきではなく、筋の通った希望として組み立てておくことが準備の第一歩です。
根拠を持たせるうえで軸になるのが、自分の強みです。ただ、強みは実績をそのまま並べても伝わりません。
言語化のコツは、実績ではなく、その実績を生んだ行動の型として言い換えることです。
たとえば、次のように言い換えられます。
経験 | 行動の型として言い換え |
|---|---|
滞納整理で収納率を上げた経験 | 粘り強く相手の事情を聞き取り、合意できる点を探る力 |
庁内の調整をまとめた経験 | 利害の異なる部署の間に立って落としどころを見つける力 |
議会答弁の作成に携わった経験 | 複雑な情報を要点にまとめ、短時間で伝わる形に整える力 |
言い換えたあとは、その力が希望先のどの業務で必要になるのかを結びつけます。「得意です」で終わらせず、「こういう場面でこのように貢献できます」というところまで書ききると、読み手に届く言葉になっていきます。自分の強みが希望先でどのように役立つのかを言葉にできれば、希望が考慮される可能性を高められるかもしれません。
準備した内容は、伝える場があってはじめて意味を持ちます。多くの自治体では、年に一度の異動調査に加えて、人事評価面談の機会があります。
次の異動への不安をただ抱え続けるのではなく、自分のキャリアを主体的に考える機会として捉え直すこともできます。これまでの経験を棚卸しし、なぜその部署で働きたいのか、自分の経験をどう生かして貢献できるのかを整理したうえで臨みましょう。
突然切り出すのではなく、準備した状態で面談の場に立つことが大切です。伝わり方は、準備の丁寧さで大きく変わっていきます。
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数年ごとに畑違いの部署へ移る働き方そのものに、どうしても納得できないと感じている場合は、視野を広げて考えてみる時期かもしれません。ここでは、大きく3つの方向性をお伝えします。
現職を続けながら働き方を見直す
所属先の規定を確認したうえで副業を検討する
民間企業への転職を選択肢の一つとして考える
どれが正解ということはありません。大切なのは、自分が納得して選べることです。
続けることと辞めることは、どちらかが正解というわけではありません。今の職場に身を置いたまま、働き方の中身を組み替えていく道もあります。
働き方を見直すといっても漠然としていますので、次の4つの面に分けて考えてみてください。
見直す面 | 具体的なアクション |
担当業務の持ち方 | 一人で抱えている案件を分担できないか、上司に相談してみる |
時間の使い方 | 時間外の使い方や休暇の取り方を見直し、回復にあてる時間を確保する |
異動との付き合い方 | 次の内示を待つのではなく、異動調査に向けた準備を今から始める |
生活との配分 | 仕事に置いている比重を、家庭や自分の時間に少し戻してみる |
どれも小さな調整ですが、積み重なると日々の感じ方は変わっていくものです。環境を変えなくても、働き方の中身は自分で組み替えられます。
公務員の立場を保ちながら、職務の外に活動の場を持つ選択肢もあります。
地方公務員法第38条では、任命権者の許可を受ければ営利企業への従事などが認められる場合があると定められています。ただし、許可基準や手続きは自治体ごとに大きく異なるため、まずは自分の勤め先の服務規程を確認することから始めてください。
無許可で副業を行うと、懲戒処分の対象となる可能性もあります。関心のある方は、事前に総務課や人事課に相談し、正しい手続きで進めていきましょう。
参考:総務省|地方公務員の兼業について
組織の仕組みそのものに息苦しさを感じているなら、外に出る選択肢もあります。
ただし、今の環境から逃れたい気持ちだけで動くと、転職後に同じような課題に直面する場合があります。転職して何を叶えたいのかを先に整理しておくことが、後悔の少ない選択につながりやすくなるでしょう。あわせて、次の3点は動き出す前に調べておきたいところです。
応募先の求人が求める経験の範囲
給与水準の比較
働き方の違い
公務員から民間へ移る場合、年齢や職種によっては一時的に年収が下がるケースも少なくありません。特に30代以降の未経験転職では、当面の収入が下がる可能性を想定しておく必要があります。ただ、労働人口の減少を背景に、以前よりも未経験からの転職に門戸が開かれつつあることも事実です。動き出す前から不利と決めつけず、条件を一つずつ確認しておきましょう。
» 市役所職員から転職すると後悔する?転職して良かったかリアルを解説

公務員の異動がつらいと感じたときによくある質問に回答します。
一律の目安を伝えることは難しいのが実情です。担当する業務の性質、引き継ぎの充実度、部署の受け入れ体制によって、感覚は大きく変わっていきます。
そのうえで相談の現場でよく聞くのは、「2年目に入ってようやく業務の全体像や進め方が見えてきた」「3年目で慣れてきたと思った頃にまた異動になった」といった声です。市役所ではおおむね3〜5年、部署によっては2〜3年で次の異動が回ってくるため、慣れた実感を持てないまま次の職場へ移る場合もあります。
大切なのは、慣れる早さそのものよりも、まだ慣れの途中なのか、業務内容や環境との相性にズレがあるのかを見極めることです。前者であれば、時間と工夫でつらさが和らいでいく場合が多いでしょう。一方、後者であれば別の手立てが必要になります。自分では判断がつきにくい部分でもあるため、迷ったときは第三者と一緒に整理してみてください。
若手のうちは、幅広い分野を経験してもらうといった方針から異動の対象になりやすい傾向があります。組織の状況によって配置換えが必要になる場面もあり、必ずしも本人の評価と結びつくものではありません。
自分ばかり動かされていると感じる状況は、決して気持ちのよいものではないでしょう。ただ、異動の回数そのものを変えることは難しくても、次の異動をどう迎えるかは準備できます。希望を根拠とともに伝える準備が、その一歩になります。

異動のつらさは、あなたの努力不足から来ているものではありません。数年おきに担当分野が入れ替わる仕組みの側に、負担が生まれやすい事情があります。
今の部署でできる工夫を試すことも、次の異動に向けて準備を整えることも、働き方そのものを見直すことも、すべて前向きな選択です。とはいえ、何がつらいのか、これからどうしたいのかを一人で言葉にするのは簡単ではありません。
クジラボはこれまで、5,000名以上(※クジラボブランド累計、2026年9月時点)の行政職員をはじめとする公務員の方の話を聞いてきました。異動調査に何を書けばいいかわからない方も、希望が届かないもどかしさを抱えている方も、専門性が積み上がっていないと感じている方もいらっしゃいます。行政組織ならではの事情を、一から説明していただく必要はありません。
そして、転職ありきで相談を受けることはありません。対話を通して現職を続ける決断をされる方も、多くいらっしゃいます。
転職を決めていなくても、話したいことがまとまっていなくても構いません。まずは、あなたの胸の内を聞かせてください。
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