
2025.8.5
行政職員

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「このまま市役所で働き続けて、自分のキャリアは大丈夫だろうか…」
「役所の外で通用するスキルを身につけたいけど、何から始めればいいかわからない」
日々の業務に追われる中で、ふとご自身の将来のキャリアに不安を感じることはありませんか。安定していると言われる一方で、数年ごとの人事異動や、物事を進める上での様々な制約、前例を重んじる文化に、もどかしさや閉塞感を覚えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そんな思いを抱える市役所職員のあなたに向けて、「副業」という選択肢を深く掘り下げていきます。
法律のルールといった基本的な情報から、具体的な始め方、そして副業の先に見えてくる「転職」という可能性との比較まで、私たち公務員専門のキャリアカウンセリングチーム「クジラボ」が、あなたのキャリアの悩みに寄り添いながら、分かりやすく解説します。
もし、この記事を読み進める中で、「誰かにこの気持ちを聞いてほしい」「自分の考えを一度整理してみたい」と感じたなら、私たちがお力になれるかもしれません。
クジラボでは、公務員ならではのキャリアの悩みに特化したカウンセリングをご提供しています。あなたの心の中にあるモヤモヤとした感情を一つひとつ丁寧に紐解き、ご自身が本当に大切にしたいことを見つけるお手伝いをいたします。

「公務員は副業禁止」というイメージが強いかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。
安心して新たな挑戦を始めるためにも、まずは最低限のルールを正しく理解しておきましょう。
公務員の副業が慎重に扱われるのには、明確な理由があります。
それは、地方公務員法が定める「信用失墜行為の禁止」「守秘義務」「職務専念の義務」という3つの義務を、私たち公務員が負っているからです。
もう少し具体的にいうと、地方公務員法により3つの義務が規定されています。
信用失墜行為の禁止(第33条):職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない
守秘義務(第34条・罰則第60条):職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。退職後も同様
職務専念の義務(第35条):法律または条例に特段の定めがある場合を除き、勤務時間と注意力のすべてを職責遂行のために用い、当該地方公共団体の職務にのみ従事しなければならない
これは、特定の誰かではなく、社会全体の奉仕者として公正な職務を行うために、私たち全員が守るべき大切な原則です。
副業を考える上では、この大前提を心に留めておくことが重要になります。
ここで最も大切なのは、副業が全面的に禁止されているわけではない、ということです。
結論から言うと、任命権者(市長など)から許可を得ることができれば、市役所職員も副業を行うことが可能です。
営利企業等従事制限(第38条):任命権者の許可を受けなければ、営利企業の役員等を兼ね、又は報酬を得て事業・事務に従事してはならない
「市長から許可を得るなんて、現実的ではないのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、近年は地域貢献や人材育成といった目的で、職員の副業を積極的に後押しする自治体も増えてきており、以前よりもその可能性は着実に広がっています。
例えば、奈良県生駒市では、2018年から勤続1年以上の一般職員が地域貢献活動で報酬を得る副業を許可する制度を開始しました。当初は市内での活動が主でしたが、現在では市外での活動も可能となり、少年サッカーチームのコーチやNPO活動など、様々な分野で職員が活躍しています。
» 副業拡大!地域に飛び出す職員をさらに応援!~ 市職員が報酬を得て地域貢献活動に参加できる範囲を広げます ~
また、長野県庁でも2018年から「地域に飛び出せ!社会貢献職員応援制度」を導入。公益性が高く、報酬額が妥当な活動を知事が許可するもので、2024年の改正では農業などの一部営利活動も対象となりました。この制度を通じて、これまでに「農作業の補助」や「スキーインストラクター」、「学校部活動での技術指導」など、多様な副業に従事する職員が生まれています。
» 県職員が副業で地域社会に貢献、その「学び」を県政に活かす
これらの事例は、副業がもはや特別なことではなく、キャリアの選択肢の一つとして現実味を帯びてきていることを示していると言えるでしょう。

では、具体的にどのような副業であれば許可を得やすいのでしょうか。
ここでは、いくつかの代表的なカテゴリーをご紹介します。ご自身の興味や状況と照らし合わせながら、可能性を探ってみてください。
株式投資や投資信託といった資産運用は、一般的に「副業」とは見なされず、許可が不要な場合がほとんどです。
また、不動産経営についても、独立家屋の賃貸であれば5棟以上、アパートなどであれば10室以上といった基準を超えず、かつ年間の家賃収入が500万円未満であれば、許可なく行えることが多いようです。自家消費を大きく超える規模の太陽光発電も同様です。
ただし、これらの基準は自治体によって解釈が異なる場合があるため、行動を起こす前には、必ずご自身の職場の服務規程などを確認するようにしましょう。
NPO法人での活動支援や、地域のスポーツ少年団のコーチ、伝統文化の継承活動など、公益性が高く、報酬が実費弁償程度であるような社会貢献活動は、最も許可を得やすい副業の代表例です。
「地域のために何かしたい」というあなたの純粋な想いを、役所の業務とは違う形で、より直接的なアクションに移すことができます。本業で培った経験や知識を活かせる場面も多いかもしれません。
職務上の秘密に触れることがなく、かつ市役所全体の信用を損なわない範囲であれば、ご自身の知見を活かした講演や執筆活動も可能です。
例えば、趣味で得た専門知識について話したり、一般的なビジネスマナーに関する内容を執筆したりといったケースが考えられます。
ただし、どこからが職務に関連し、どこまでが許されるのか、その線引きはご自身で判断するのが難しい場合もあります。
後々のトラブルを避けるためにも、企画段階で上司や人事担当課に相談してみるのが賢明です。
ご自身やご家族が消費する目的の家庭菜園はもちろん、それを少し超える程度の小規模な農業も、本業の勤務に支障がなければ認められる場合があります。
自分で手間ひまかけて育てた作物を、直売所などで販売してみる。そうした経験は、ささやかな収入以上に、大きな達成感や日々の暮らしのやりがいにつながるかもしれません。

具体的な副業のイメージが湧いてきたら、実際に行動へ移す前に、必ず踏んでおきたいステップがあります。
焦らず、一つひとつ丁寧に進めることが、後々の要らぬトラブルを防ぐ一番の近道です。
副業に関する許可基準や手続きのルールは、全国一律ではなく、自治体ごとに大きく異なります。
まずは、ご自身の勤め先のイントラネットで関連規定(服務規程など)を探して熟読したり、人事課に匿名で問い合わせたりして、正確なルールを把握することから始めましょう。
思い込みで判断してしまうのは禁物です。
いざ許可を得ようとする際、いきなり申請書を提出するのは、少しハードルが高いかもしれません。
まずは、日頃から信頼関係を築けている直属の上司に、「実は、地域貢献の一環として○○のような活動に関わってみたいと考えているのですが、手続きについてご相談してもよろしいでしょうか」といった形で、ポジティブな意図と共に切り出してみるのがおすすめです。
誠実な姿勢で相談することで、きっとあなたの想いを理解し、応援してくれるはずです。
副業によって得た所得(収入から必要経費を差し引いた金額)が年間で20万円を超えた場合は、ご自身で確定申告を行う義務があります。
この手続きを怠ると、後から追徴課税などのペナルティを受ける可能性もあるため、注意が必要です。
副業を始めるということは、税に関する手続きも自分で行う責任が生じる、と心得ておきましょう。具体的には、所得が20万円を超えているかという点だけでなく、以下のようなポイントも確認が必要です。
経費として計上するための領収書などの根拠資料をきちんと保存しているか
住民税の納付方法を、給与から天引きされる「特別徴収」ではなく「普通徴収(自分で納付)」にしているか(これにより、副業分の住民税額が職場に通知されるのを防げます)
報酬の支払元から支払調書が発行されるか(されない場合は、売上を自分で正確に管理・申告する必要があります)
副業の形態によっては、国民健康保険や国民年金への影響も確認しておく必要があります。

副業の魅力は、月数万円といった金銭的な収入だけではありません。
むしろ、これからのあなたのキャリアをより豊かに、そして確かなものにする「経験」こそが、最大の財産になるのかもしれません。
いきなり今の安定した環境を捨てて転職に踏み切るのは、とても勇気がいることです。
しかし、副業であれば、現在の職場に籍を置きながら、民間企業のスピード感や文化、利益を追求する考え方などを「お試し」で体験できます。
例えば、副業を通じてWebサイト制作のスキルを学び、地域の商店のホームページを実際に作って心から感謝された、という経験をしたとします。その経験は、「自分は役所の外でも、自分のスキルで誰かの役に立てるのかもしれない」という、大きな自信と自己肯定感につながるはずです。副業をきっかけに、より本格的に転職という選択肢を考え始めるのは、ごく自然な心の動きと言えるでしょう。
» 参考:公務員からの転職を考えるのは自然なこと。事例含め選択肢を解説します
多くの方が公務員という職業に求める「安定」。それは、組織に所属することで守られる「組織依存の安定」と言えるかもしれません。
しかし、これからの時代は、それとは別に、ご自身のスキルや経験によってどんな環境でも価値を発揮できる自立的な安定が、より重要になってくると私たちは考えています。
副業を通じて、上司の指示を待つのではなく、主体的に仕事を見つけ、スキルを磨き、価値を提供するという経験は、まさにその新しい「自立的な安定」を手に入れるための、確かな第一歩となるはずです。
実際に、私たちクジラボにご相談に来られたある市役所職員の方は、仕事と家庭との両立に悩み、「このままの働き方では限界がある」と感じていらっしゃいました。私たちとの対話を通じてご自身のキャリアを丁寧に棚卸しした結果、フリーランスの事務職という新しい道を発見。「何から始めればよいかわからない」というゼロの状態から、今ではご自身のペースで働くという『自立的な安定』を手に入れ、「将来への不安よりも、自分でコントロールできる安心感が増した」と晴れやかな表情で語ってくださいました。
» 家庭との両立に向けて、フリーランスの道が“選べる選択肢”に
一方で、実際に公務員を辞めた後のキャリアには、どんな可能性があるのか、具体的にイメージできず不安を感じる方もいるかもしれません。
» 公務員を辞めた後はどうなる?不安や課題、退職後の選択について解説

もし、あなたが副業を考え始めた背景に、「今の職場に対する強いモヤモヤ」や「働き方への疑問」があるのなら、一度立ち止まって、ご自身のキャリアをより広い視野で見つめ直してみることをおすすめします。
少し、ご自身の心に問いかけてみてください。「今の職場で、あと10年働く自分の姿を、前向きな気持ちで想像できるだろうか?」「もし副業で月5万円を稼ぐことができたら、どんな気持ちになるだろうか?」。
こうした問いを自分自身に投げかけることで、あなたが本当に解決したい、根源的な問題が見えてくることがあります。
日々の業務のストレスを少し和らげるための副業なのか、それとも、根本的に環境を変える必要があるのか。その見極めが、今後のキャリアを考える上で非常に大切になります。
私たちは、キャリアに悩む方々へ「転職活動は、必ずしも転職するためにやるものではないですよ」とお伝えしています。
求人情報に触れてみたり、利害関係のない第三者であるキャリアアドバイザーと話してみたりする中で、「自分のこの経験は、民間企業ではこんな風に評価されるのか」という発見や、逆に「市役所の仕事には、こんな魅力があったんだ」という再認識が生まれることは少なくありません。
転職をする・しないにかかわらず、ご自身のキャリアを客観的に見つめ直す、またとない機会になるのです。
キャリアに関する悩みは、日々の業務で顔を合わせる職場の同僚や上司には、なかなか話しにくいものです。
「こんなことを考えるなんて、甘えているだろうか」「誰に、どう相談すればいいのか分からない…」。そうして一人で抱え込んでしまう方が非常に多いですが、それは、ご自身の可能性を狭めてしまう、とてももったいない状況です。
私たちクジラボは、まさにそうした公務員の方々のキャリアに特化したカウンセリングを通じて、あなたが心から納得できる選択ができるよう、隣でサポートしています。
私たちの役割は、転職を無理に勧めることではありません。対話を通じてあなたの価値観や強みを言語化し、キャリアの方向性や優先順位を明確にしていく。
その上で、「今の仕事を続ける」「副業に挑戦する」「転職を目指す」といった選択肢を、完全にフラットな視点で一緒に考えるパートナーとして、ぜひ私たちをご活用ください。

市役所職員の副業は、ルールを正しく理解し、誠実なステップを踏めば、決して不可能なことではありません。そしてそれは、あなたの視野を広げ、新しいスキルを授け、キャリアの選択肢そのものを豊かにしてくれる、素晴らしい可能性を秘めています。
何よりも大切なのは、「何のために副業をするのか」という、あなた自身の心の声に、丁寧に耳を傾けることです。
副業も、転職も、あるいは今の職場で働き方を工夫することも、すべてはあなたの理想の未来を実現するための、大切な「選択肢」の一つに過ぎません。あなたのキャリアは、あなたが今思っているよりも、もっと自由になれるはずです。
もし、この記事を読んで、ご自身のキャリアについて「もう少し深く考えてみたい」「具体的な一歩を踏み出すための勇気がほしい」と感じたら。あるいは、どの方向に進めばいいのか分からず、立ち止まってしまった時は、いつでも私たちクジラボの存在を思い出してください。
まずは初回のキャリアカウンセリングで、あなたの今の想いを、ありのままお聞かせいただけませんか。
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