教員が自己都合で休職するデメリットと休む前に考えたいこと

2025.4.7

教員

教員が自己都合で休職するデメリットと休む前に考えたいこと

教員が自己都合で休職するデメリットと休む前に考えたいこと

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日々多忙を極める小学校や中学校の現場では、思い通りに子どもや保護者に対応できないもどかしさに加え、膨大な業務からくるストレスを抱える先生も少なくないでしょう。「一度、自己都合で休職をして心身をリセットしたい」と考える方もいることでしょう。

今回は、自己都合による休職の概要や注意点、そして今後のキャリアを見つめ直すヒントをお伝えします。

私たちクジラボでは、これまで5,000名以上(※クジラボブランド累計 2026年6月時点)の先生方のキャリア相談を行ってきました。自己都合休職を含む「休む・復職する・辞める」などの多角的な選択肢について、一人ひとりの状況に合わせたサポートをしています。

「休職した方がよいのか」「退職して次の道を模索した方がよいのか」など、迷いや不安がある方はお気軽にご相談ください。
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自己都合の休職を選ぶ教員が増えている背景

運動場

「自己都合による休職」とは、病気やケガによるものではなく、個人的な理由(精神的な問題や病気、家庭の事情など)で休職することを指すケースをいいます。

近年、学校現場において教員の「自己都合による休職」が増加しているとの指摘があります。

特に、公立学校では精神疾患(うつ病や適応障害など)を理由とする病気休職者数が毎年のように増え、過去最多を更新している状況です。例えば2014年度には約5,000人だった精神疾患休職者が、2022年度に6,539人、2023年度には7,119人となっており、教員約130~140人に1人の割合で精神疾患による長期休職者がいる計算になります。

さらに、2024年の調査によれば「強いストレスを抱え、仕事にやりがいを感じられない」と回答した教員は全体の約20%、特に20代教員では31.4%にも上るという報告もあり、厳しい労働環境と相まって「このままでは自分が壊れてしまう」と感じる先生が増えている背景がうかがえます。

特に保護者対応や授業準備、生徒指導、部活動などを一人で抱え込みすぎた結果、心身の限界を迎えるケースも珍しくありません。

こうした状況の中で「病気休職に至る前に一度リセットしたい」という思いから、自己都合休職を選択するケースも増えてきているのです。

自己都合で休職するメリット

空を見上げて、手を広げる子供

自己都合による休職は、一度立ち止まって次の一歩を考えたい先生にとって、ある程度の猶予を得られる手段となります。

一方で、リスクや周囲の理解など気をつけるべき点もあります。まずは、自己都合休職によって得られるプラス面を押さえておきましょう。

心身の回復時間を確保できる

過密スケジュールや精神的負担から一時的に離れることで、心身を落ち着かせ、回復に専念できます。

とくに「涙が止まらないほど辛い」という状態に陥る前に、自分のペースで休息を取れるのは大きなメリットといえるでしょう。

行事や業務が集中していると、体調を崩しても十分に立て直す時間が取れない場合があります。

休職期間中は、自分自身の健康管理を最優先にできるため、十分な睡眠や栄養摂取、適度な運動など、基本的な生活習慣を整えることが可能です。

また、これまで後回しにしていた健康診断や医療機関への受診など、自分自身のケアに時間を使うことも可能になります。

自分の気持ちを整理する機会になる

これまで忙しさに追われて自分と向き合う時間を取れなかった方は、この期間に自己理解を深め、今後どのように働き続けたいのかを見直すチャンスになります。

教員という仕事は、常に他者(児童生徒、保護者、同僚など)との関わりが中心となるため、自分自身の気持ちや考えを後回しにしがちです。

休職期間中は、自分自身の本音と向き合う良い機会になります。人によっては、教員になった理由が、必ずしも主体的な意志だけではなかったかもしれません(例えば、親にすすめられたから、安定しているからといった理由など)。

休職という時間だからこそ、一度立ち止まり、「自分は本当は何を大切にしたいのか」「どんな働き方、生き方を望んでいるのか」といった心の声に耳を傾けてみるのもおすすめです。

また、これまでの教員生活を振り返り、達成感を得られた場面や困難だった場面を整理することで、自分の強みや課題が明確になることもあるでしょう。

無理を重ねて倒れてしまう前に、一時停止ボタンを押して自分を見つめ直す時間としても有意義です。

自己都合で休職するデメリット

手で目を隠す子供

続いて、休職に踏み切る前に把握しておきたいリスク面を確認していきましょう。

自己都合休職には、心身の回復という大きなメリットがある一方で、考慮すべき課題もあります。

収入面に影響がある

病気やケガが理由の休職と異なり、自己都合休職の場合は給与や賞与が支給されない、または大幅に減少することが多いです。

日々の生活費や社会保険料、税金などは変わらず必要になるため、あらかじめ貯蓄や家族のサポートなど、経済面をどうするか慎重に考える必要があります。

さらに、共済組合や健康保険の手続きも必要となるため、事前に所属する学校の事務担当者や教育委員会に確認しておくことをおすすめします。

周囲の理解が得にくい場合がある

自己都合の休職に対して、「どんな事情があるのだろう」と好意的に受け止めてくれる人ばかりではないかもしれません。管理職や同僚とのやりとり、保護者への対応など、説明や連絡が必要になるケースも考えられます。

自己都合での休職を申し出ると、「責任感がない」「逃げている」といった誤解を受けることもあるかもしれません。また、休職によって同僚の負担が増えることへの罪悪感を抱く方もいます。

しかし、心身の健康を損なったまま無理に働き続けることは、結果的に子どもたちにとっても良い教育環境とはなりません。

偏見を恐れて休職を先延ばしにすると、症状が悪化して復職自体が難しくなる恐れもあります。

休職を検討する前に考えたいこと

休職を検討中の母親

一人で悩みを抱え込んでいると、視野が狭くなりがちです。実際に自分が苦しい状況にあるときこそ、まわりの人や外部のサポートを活用することも有効な手段となります。

休職という大きな決断に至る前に、検討したい選択肢をご紹介します。

同僚や先輩教師に話を聞いてもらう

自分の学校内に同僚や先輩教師など相談相手がいる場合は、思い切って胸の内を話してみることで、具体的な対策を共有できたり、休暇の取得について助言が得られることがあります。

経験豊富な先輩教員から、「業務の負担をどう調整するか」「保護者対応のポイント」など、有益なアドバイスをもらえる可能性もあります。

第三者の視点を得られるサポートを活用する

学校内だけでは解決が難しいと感じたら、外部のカウンセリングや専門機関を利用するのも一つの方法です。

たとえば、私たちクジラボのような「教員向けキャリアカウンセリング」を行うチームや、心療内科・カウンセリングなどの機関に頼ることで、自己理解を深め、具体的な行動のヒントを得られることもあります。

クジラボでは、休職に限らず「今後どう生きていくか」「教員を続けるか辞めるか」など、あらゆるキャリアの悩みをサポートしています。教員特有の悩みをよく理解している専門スタッフが丁寧にヒアリングし、一人ひとりに合った道を一緒に考えていきます。現在の学校に戻るか、新しい道を探すか迷っている方も、まずはお気軽にご相談ください。

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実際に、クジラボで10年勤めた状態からキャリアを見直した教員のKさんは「続けるか辞めるか、モヤモヤしている人におススメします。クジラボさんのプログラムのありがたいところは、『教員を続けるべきだ!』とも、『辞めるべきだ!』とも言わないところだと思います。ひたすら自分の心の声を聞こうとしてくれますし、こちらが言葉に詰まればちゃんと待ってくれます。ぐいぐい引っ張っていくというよりかは、落ちそうになっても下からしっかり支えてくれるイメージなので、どんな意志決定であっても必ず尊重してもらえるはず」と言ってくださいました。

» 10年勤めた教員を退職して目指すのは、生徒や同僚の道しるべになれる「最強の先生」

第三者に相談することの最大のメリットは、学校という閉じた環境の中では見えなくなっていた選択肢や可能性に気づけることです。

また、教員という仕事に対する社会的な評価や、教育業界以外のキャリアパスについての情報も得られるため、より広い視野で自分の将来を考えることができるでしょう。

教員を辞める意思決定をしたら後悔するのでは?そういう懸念に対しては下記の記事も合わせてご確認ください。

» 教員から転職したら後悔する?葛藤のポイントと検討すべき点について

自己都合による休職中にできること

川遊びを楽しむ教員家族

休職をするにあたっては、その期間をどのように活用するかも大切なポイントです。心身を回復させつつ、今後の方向性も考える期間として活用すると良いでしょう。

心身の回復を最優先に

「子どもたちに申し訳ない」「周囲に迷惑をかける」と感じてしまう先生も多いかもしれませんが、自分の心身を守ることがあってこそ質の高い教育ができます。まずはご自身の身体の不調やメンタルの疲労を回復させましょう。

休職期間中は思い切って「自分のため」の時間と捉え、十分な休息を取ることを最優先にすることが大切です。

具体的には、規則正しい生活リズムを整える、趣味や好きなことに時間を使う、自然に触れる機会を増やす、食事や睡眠を大切にするなど、自分自身のケアを最優先に、意識的な休養を心がけてください。

自己都合にしてまで休職したい理由を整理する

落ち着いてから内省してみると、「保護者対応や学校の難しい問題への対応がプレッシャーになっていたな」など、精神的に追い詰められていた要因が見えてきます。

そうした状況を一つひとつ言語化してみると、「何がつらいのか」「どのようなサポートを受ければ楽になるか」が見えてくることもあります。

休職期間には、これまで曖昧だったストレスの正体を洗い出すことで、必要なサポートや対処法がはっきりしてくるでしょう。

復職か、退職か、将来を見据える

心身が回復して学校に戻ることを希望する場合は、管理職とのコミュニケーションを密に取ることが大切です。休職期間に学び直したい分野や資格取得などを考えてみるのも良いでしょう。

復職を考える場合は、段階的な職場復帰のプランを立てることをおすすめします。いきなりフルタイムで全ての業務を担当するのではなく、最初は短時間勤務から始めたり、担当する業務を限定したりするなど、無理のないペースで復帰できるよう事前に調整しておくことが重要です。

また、管理職や産業医との面談を定期的に行い、自分の状態を共有しながら復職プロセスを進めていくことも大切です。

一方で、「学校ではない形で子どもと関わりたい」「まったく別の環境でチャレンジしてみたい」という場合、転職や独立などの可能性を視野に入れておくのも手段の一つです。教員としての経験やスキルは、教育業界に限らず多くの分野で活かすことができます。

休職期間中に、関心のある業界や職種についての情報収集や、必要に応じてスキルアップのための学習を始めてみるのも良いでしょう。

教員が休職するまでの流れ

教員が休職するまでの流れをチェックする様子

休職の検討から実際の手続きまで、どのように進めていけば良いのかを確認していきましょう。

まずは、所属する教育委員会や学校の制度を必ず確認してください。

まずは病気休暇を取得する

多くの場合、自己都合による休職の前に、まずは病気休暇の取得を検討することになります。病気休暇は有給休暇のようなもので、初期段階では給与への影響が少ないケースが多いです。

一般的に、最初の90日間は給与の補償がある場合が多く、それ以上の期間になると医師の診断書が求められることになります。この段階で、自分の体調や今後の方針について医師と相談し、必要に応じて病気休暇の申請を行うことになります。

病気休暇の取得にあたっては、まず教頭などの管理職に相談し、必要な書類や手続きについて確認しましょう。また、医療機関を受診し、医師に状況を説明した上で診断書を発行してもらう必要があります。この際、自分の症状や困難な状況をできるだけ具体的に伝えることが大切です。

病気休暇を申請する

診断書があり、病気休暇を取得できた場合は、状況によっては最大1年間給与の保障がある場合もあります。ただし、自治体や学校の規定によって条件は異なりますので、事前に確認しておくことが重要です。

病気休暇の申請には、医師の診断書の他に、学校や教育委員会が定める申請書類の提出が必要になります。申請が承認されると、休暇期間中の代替教員の手配など、学校側でも対応が行われます。また、休暇中の連絡方法や報告の頻度なども事前に管理職と相談しておくと良いでしょう。

休暇期間中も、治療の経過や復帰の見通しについて定期的に学校へ報告することが求められる場合があります。特に、休暇期間の延長が必要になった場合は、再度診断書を提出するなどの手続きが必要になることもあるため、治療に専念しながらも、必要な手続きは滞りなく行うよう心がけましょう。

休職後、もし教員からの退職を検討するなら

退職を検討する教員たち

自己都合休職の間に「やはり学校を離れたい」という思いが高まった場合、どのような働き方があるのでしょうか。

教員として培った指導力やコミュニケーション能力は、多くの業界で強みになります。

「引き続き教育に携わりたい」という方は

教育に情熱を持ち続けつつも、公立学校とは異なる環境で力を発揮したいと考える方には、教育関連分野での転職がおすすめです。

EdTech企業や教材開発企業では、ICTを活用した教育の可能性が広がっており、元教員の経験やアイデアが重宝される場面も多くあります。

現場の教員としての視点から、使いやすい教材や効果的な学習コンテンツの開発に関わることができます。また、教育現場での経験を活かして、学校向けの営業や導入サポートを担当する道もあるでしょう。

児童発達支援や通信制高校、私学、NPO法人、日本語講師などの分野では、学校とは違った形で子どもを支援したり、より多様な学びの場で活躍したいと考えている方に選ばれています。

例えば、発達障害を持つ子どもたちの支援に特化した施設では、一人ひとりの特性に合わせたきめ細かい指導ができますし、通信制高校では多様な背景を持つ生徒たちの学びをサポートすることができます。

「子ども以外の年齢層も視野に入れたい」方は

教育のスキルを活かしつつも、対象を子どもから大人へと広げたいと考える方には、キャリアアドバイザーやコーチング、カウンセリング、研修講師、メンタルヘルス支援、人材営業といった選択肢があります。

これらの職種では、教員時代に身につけたコミュニケーション力や面談スキルが、大人を対象とした支援においても強みになります。特に、人の成長や学びをサポートするという点では、教員経験が直接活かせる場面が多くあるでしょう。

例えば、キャリアアドバイザーとして就職や転職を考える方々の相談に乗ったり、企業研修の講師として社会人のスキルアップをサポートしたりする仕事は、「教える」という経験を持つ元教員にとって親和性が高いと言えます。

また、メンタルヘルスに関する知識を深め、職場のストレスケアや心の健康をサポートする専門家として活躍する道もあります。

教育現場で培った「相手の状況を理解し、適切な支援を考える力」は、対象が変わっても十分に通用するスキルです。

環境をがらりと変えたい方は

これまでの経験とはまったく異なる分野にチャレンジしたい方には、次のような選択肢も考えられます。

セールスや接客・販売、施工管理、店舗管理、制作管理などの職種が該当し、教員時代には経験できなかった新しい知識やスキルを身につけることができます。近年、未経験からチャレンジできる求人が増えている状況にあり、特に20代であれば未経験でもキャリアチェンジできる可能性はかなり高いです。30代であっても、未経験で転職できたという事例も増えています。

ゼロから業界知識を学ぶ必要はありますが、教員時代に培った段取り力や人との関わり方は、どの職種でも役立つ可能性があります。

例えば、セールスや接客業では、相手の立場に立って考える力や、わかりやすく説明する力が直接活かせますし、管理またディレクション系の職種、人をまとめる力やスケジュール管理能力が重宝されるでしょう。また、教員としての経験は、人間関係の構築や問題解決において大きな強みとなります。

新しい分野へのチャレンジは、初めは不安を感じることもあるかもしれませんが、教員として身につけた基礎的なスキルや姿勢は、どのような仕事においても価値のある資産です。また、異なる業界や職種を経験することで、これまでとは違った視点や価値観に触れ、人生の幅を広げることができるでしょう。

自己都合による休職は、一時的に立ち止まる選択肢の一つ

クジラの尻尾

自己都合による休職は、心身の負担がピークに達したときに一時的に立ち止まって考える選択肢の一つです。「休むこともキャリア選択の一つ」という考え方があってもいいでしょう。

ただし、収入面や周囲の目など、懸念されるポイントもあるため慎重な判断が必要です。

それでも、つらい状況に陥っているなら、まずは「休む」ことと「相談する」ことをためらわないでください。

クジラボでは、休職前・休職中・復職後など、あらゆる段階での悩みを包括的にサポートしています。

「どのタイミングで休むか」「退職や転職に踏み切るか」など、迷いを整理する場としてお気軽にご利用ください。教員特化の実績を活かして、一人ひとりに寄り添ったアドバイスをご提供いたします。

少しでも迷いや不安を感じたら、まずは無料相談にお越しください。一人で抱え込まずに、専門家の視点を交えながら、あなたらしい教育者の道を見つけていきましょう。

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