
2024.10.18
教員

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「教員から民間企業への転職は難しそう」
「教員を辞めて、一般職で通用するだろうか」など、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
教職を離れることは、多くの先生にとって大きな決断です。転職するとしても、教員として培ったスキルは活かせるか、収入はどうなってしまうのかなど、不安は尽きません。そこで本記事では、実際に教員からの転職を果たした方々の体験談を紹介します。ぜひ、転職を検討する際の参考にしてください。

ここからは、教える転職の難しさについて、3つの観点から解説していきます。
「教員経験は、民間企業では通用しない」などと言われることがあります。
しかし実際は、教員経験で培ったスキルは、他の職種でも活用できます。たとえば、次のような教員スキルは、他業種でも転用が可能です。
コミュニケーション能力
組織力・マネジメント力
問題解決能力
これらは、営業職や人事、企画部門などで求められる力です。希望する職種に合わせて、教員スキルを抽象化し自己アピールすると良いでしょう。
教員経験が長い方は、以下の点で「年齢」が転職のネックになると感じるかもしれません。
採用の年齢制限に引っかかる
教員時代より収入が下がる
教員の収入は在職年数に応じて昇給し、多くの方が若いうちから教職をスタートさせています。未経験の業種では、教員時代より収入が下がってしまうケースも少なくありません。
年収が下がる場合には、年収減を上回る魅力があるか、将来的な年収アップが見込める、生活に無理が生じないかを考えてみるようにしましょう。
教職からの転身は、心理的にも大きなハードルとなります。転職を考える教員の方々の多くが、「今の安定を手放して大丈夫だろうか」「転職して本当にやっていけるのだろうか」という不安を感じています。年齢を重ねるほど、これらの不安は大きくなる傾向です。
しかし、これらの不安を乗り越え、転職を果たした方々がいるのも事実です。一歩を踏み出すことで、新たな可能性が開けるかもしれません。

ここからは、実際に教員からの転職を果たした7名の体験談を紹介します。どのように心理的ハードルを乗り越えて転職に踏み切ったのか、教員スキルはどう活かせるかなど、ぜひ参考にしてみてください。
元小学校教員Tさん(41歳)の体験談を紹介します。教員を退職後、児童福祉業界へ転職し、2〜18歳までの児童・生徒のキャリア支援をしています。
現在のキャリアに至った経緯
小学校教員だったTさんは、生徒を十分に支援するには、学校教育だけでは限界があると感じたそうです。
今の仕事の「児童のキャリア支援」では、2〜18歳までの児童・生徒と関わり、長期的な支援をしています。
就労や進学だけでなく、子どもたちが自立した社会性を身につけられるようサポートするのが特徴です。決断力や自己コントロール力、課題解決能力など、日常の中で習得できるよう支援をしています。
やりがい・働き方について
教員時代よりも、子どもに向き合える時間が増えたと語るTさん。
「子どもが本音をポロッと言ってくれたときに、やりがいを感じます。就寝援助をしていたとき、子どもが「おうちに帰りたい」と胸の内を語ってくれたことがありました。時間をかけて信頼関係を築いていくことの大切さを感じました」
働き方については、教員時代より「生産性と効率」を意識するようになったそうです。今の仕事では、24時間365日、16年にわたり子どもたちと共に過ごすとのこと。効率的に仕事を進めるからこそ、子どもたちとしっかり向き合う時間を確保でき、ライフワークバランスも取りやすいのだそうです。
教員スキルが活きていると感じること
「複数人を相手にマネジメントをしたり、モチベーションをあげようとする場面で、教員としての経験を活かせます」とTさんは話してくれました。
福祉についての専門性は高くても、大きなイベントなどで人前に立つのは苦手という方も多いのだとか。そういう場面で、Tさんの教員経験が重宝されるそうです。「先生は運動会一つとっても、数百人以上の前に立って対応するので、その経験は大きいですね」と語ってくれました。
元小学校教諭のYさんの体験談を紹介します。現在は教員経験を活かし、「居場所型フリースクール」を運営されています。
現在のキャリアに至った経緯
Yさんのキャリア遍歴について紹介します。
教職を離れたのは、家族と過ごす時間を増やすためだったそうです。「地域づくりや居場所づくり、教育に関する仕事をしてきた経験を、総合的に活かせる」と考え、フリースクールの運営を始めました。
やりがい・働き方について
「居場所型フリースクール」では、学習支援などを通して、子どもや保護者の居場所づくりをしているYさん。「教員のときにはできなかった、教育の課題に貢献できていると感じます。不登校、発達障害、ひとり親家庭、ヤングケアラー、貧困家庭など、家庭や学校だけでは解決できない課題があります。それらを地域ぐるみでフォローし、子どもも保護者も安心して過ごせる地域にしたいです」と、やりがいや展望を語ってくれました。
働き方について伺うと、「子どもを幼稚園に送った後、11時から夜まで働くのが週に4日。土日を含めて、週に3日は休暇にして、家族と過ごしています」と、教員時代と比べてライフワークバランスが取れるようになったそうです。
企業への転職ではなく独立に踏み切ったため、正直なところ収入の安定性は期待できませんが、平均して20〜30万円ほどの収入は得られているとのこと。
教員スキルが活きていると感じること
フリースクールは子どもたちと関わる仕事なので、教員だったときの経験があらゆるところで活きやすい仕事です。とくに保護者の方は、「以前、教員として働いていました」と伝えると、安心感を持ってくれるのは大きな強みだと感じているそうです。
私立の中高一貫校教員からキャリアコーチに転職したKさん(30代)の体験談を紹介します。
現在のキャリアに至った経緯
Kさんのキャリア遍歴を紹介します。
教員時代、キャリア教育をするに当たって、自分のキャリアに対する解像度の低さを感じたというKさん。教職を離れた理由について、「新卒から教員として働き、ビジネス経験がない私は、生徒に対して本質的なキャリア教育ができないことにもどかしさを抱えていました」と、教職を離れた理由を語ってくれました。キャリアについての知見を高めるため、現在の職種を選んだそうです。
やりがい・働き方について
現在の仕事について、「将来の『キャリア教育改革』への第一歩」だと語るKさん。大人でもキャリアに悩む方が多いのは、学生時代のキャリア教育が行き届いていないことが一因であると考えているそうです。「自分自身もキャリア教育に悩んだからこそ、伝え続けて行けることがあると信じています」と話してくれました。
働き方に関しては、教員時代よりも忙しいと感じているそうです。「お客様に満足していただける支援ができるよう、常に新しい知識をインプットする必要があります。忙しいですが、成長を実感できるのが嬉しい」とのこと。
転職したばかりのときは、教員だったときより年収が100万円以上も下がってしまったそう。しかし、昇格などを経て今は、教員のときより収入が多くなったそうです。
転職を考える先生へのアドバイス
「まずは一歩、踏み出してみてください。私の場合、転職をしたからこそ、教育がもっと好きになり、自分の視野の狭さを実感しました。学校外の世界を知ることで、教育に還元できることも増えていきます。一歩踏みだすところから初めてみると、新しい世界が見えてくると思います」
ベンチャー企業での経験を活かし、現在はフリーのキャリアコンサルタントとして活躍している、元小学校教員のMさん(39歳)の体験談を紹介します。
現在のキャリアに至った経緯
Mさんのキャリア遍歴について紹介します。
Mさんが教職を離れたのは、「教員以外の世界を知りたいと思ったこと」が理由だそうです。
転職活動中は、周りから「10年も先生を続けたのに、転職するなんてもったいない」とネガティブな声もあったそう。しかし、「応援してくれる人もいたので、スキルや経験の棚卸しなど、前向きに転職活動を続けました」と話してくれました。
やりがい・働き方について
「キャリアコンサルタントとして、『この人の強みをどう活かせるかな?』と考えるのがワクワクします」。個人が活躍するためのフォローができることに、大きなやりがいを感じるそうです。
働き方について変わった点は、「生産性を意識するようになったこと」「いろいろなことに挑戦できるようになったこと」だと言います。収入に関しては、転職してすぐは半分ほどになってしまったものの、現在はずいぶん取り戻せたそうです。
教員スキルが活きていると感じること
「面接をしたり、社員の方と話したりするときに、教員時代に培った強みを活かせていると感じます」とのこと。子どもたちの個性や才能を見つけ、それを伸ばすことに注力してきた経験が、今の仕事で大いに役立っているそうです。
元小学校教員から求人メディア編集社への転職を果たした、Aさん(32歳)の体験談を紹介します。
現在のキャリアに至った経緯
Aさんの転職までの経緯を紹介します。
Aさんは異動したばかりの学校で、他の先生たちの働き方を見て「このままずっと教員を続けられないかも」と感じたそうです。退職の理由については、「異動したてだったのに加え、体育主任や学年主任など、初めての役割を任されたことも大きかったと思います。必要以上にプレッシャーを感じてしまっていました」と話します。
やりがい・働き方について
現在の職に就いて、いろいろな仕事や働き方があることを知ったそうです。求人メディアで働くことで、他業種の人とのつながりができたことも嬉しいポイントだと言います。
働き方の変化について、「教員時代より収入は減ってしまいましたが、時間に余裕ができました。お昼ご飯も慌てて食べなくても良いし、有給も取りやすくなりました」と語ってくれました。
転職を考える先生へのアドバイス
「先生になる人は真面目で、つい自分のことを後回しにしてしまいがちです。苦しんでいる先生には、『自分の人生も大切にしてください』と伝えたいです。子どもたちもきっと、先生に楽しい人生を送って欲しいと思っているはず。勇気を出して、一歩を踏み出してみてください」
高校教員時代の経験を活かし、IT業界に転職したCさん(35歳)の体験談を紹介します。
現在のキャリアに至った経緯
Cさんの転職までの経緯を紹介します。
教員時代、Cさんはキャリア教育を担当しており、さまざまな活動をしている方との関わりがありました。中でも、IT系の人たちと接する機会が多かったのだとか。退職の理由について、「そのうち、自分でもエンジニアスキルを身につけたいと思うようになりました。また、学校の外で社会的活動を積極的に行いたくなりました」と語ります。
やりがい・働き方について
今の仕事でのやりがいは、「IT技術の進化をアップデートできること」「地域創生の活動を通じて、異業種の方とのつながりができること」だそうです。
働き方については、土日が完全に休みになり、ときにはリモートでの勤務も可能とのこと。収入に関しては、「教員時代に比べるとまだまだですが、成果に応じて昇給が見込める仕事です。実際、入社半年で、かなり月収が上がりました」と答えてくれました。
転職を考える先生へのアドバイス
「転職がうまくいくか不安で、なかなか動けない人もいると思います。しかし、動き始めてみればなんとかなる、というのが実感です。教員以外の職に就くことで、学校中心だったのが、社会全体を視野に入れて考えられるようになった気がします。自分の可能性を広げるためにも、教員からの転職を前向きに考えてみてください」
高校教員から一般企業に転職し、事業開発を手がけるSさん(29歳)の体験談を紹介します。
現在のキャリアに至った経緯
Sさんのキャリア遍歴は、次のとおりです。
教職から離れた理由について、「教員の働き方に疑問を感じつつも、ひとりの教員としてできることには限界があります。それならば、外から教育現場に影響を与える企業であれば、何かできるのではないかと考えました」と語ります。
転職活動は退職前の10月くらいから始めたそう。転職エージェントに登録し、自己分析などを手始めに行ったとのことです。
やりがい・働き方について
「クライアントの規模が大きく、仕事の影響力や、メンバーマネジメントにやりがいを感じます」とSさんは言います。
働き方について、「時間の使い方に一切の無駄がなくなったこと」「自己スキルの開発が一気に進んだこと」が、教員時代と比べて大きな変化だと言います。収入は現職中と比べて、1.5倍ほどになったそうです。
教員スキルが活きていると感じること
Sさんは教員時代、特定の仕事をひとりでこなしている先生たちを巻き込んで、「PJT化(業務のプロジェクト化)」をした経験があるそうです。「なかなか動こうとしない人たちを、動かした経験は今の仕事に活きている」と語ります。

7名の元教員の方の体験談のように、教員からの転職にはさまざまなルートがあります。しかし、単に転職すれば良いわけではなく、自分が何を実現したいのかを明確にすることが重要です。何に価値を置き、どんな環境で働きたいのか、自分の強みは何かを探ることが転職成功の鍵となります。
とはいえ、「一歩踏みだす勇気がない」「何から始めれば良いかわからない」という方も多いでしょう。そんなときは、プロに相談するのも一つの手です。
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